「老害」の誤用『時代遅れな高齢者』という意味ではない

意味【ら行】

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「老害(ろうがい)」の意味・誤用

「老害」の本来の意味

○ 組織の指導的立場を高齢者が占め、若返りが行われない状態。

「老害」の間違った意味

× 傲慢・横暴・時代遅れな高齢者。また、そういう高齢者がもたらす害。

 「老害(ろうがい)」の本来の意味は「組織の指導的立場を高齢者が占め、若返りが行われない状態」ですから、「傲慢・横暴・時代遅れな高齢者。また、そういう高齢者がもたらす害」という意味ではないのです。

 この語は「集団・組織の中心人物の若返りが行われていない状態」を意味し、  高齢者を直接批判するような意味は含まれていません。

 ですが現在のネット上では、誤った意味で使われる事が殆どですね。「老害」という言葉は40年ほど前には存在していて、20年ほど前に一気に使う人が増えました。比較的新しく出来た言葉なので、意味が変化しやすい時期であると考えられます。今後「傲慢・横暴・時代遅れな高齢者。また、そういう高齢者がもたらす害」の語義を加える辞書が出てくるかもしれません。

「老害」を使った例文

○ 芸能界は大物タレントが殆ど引退しないから、老害で若手が育たない。

○ 少子化は世界的な傾向だ。他の先進国でも今後老害が深刻化していくのだろう。

× コンビニで店員さんに怒鳴り散らしている老害を見かけたよ。

× 老害議員にはさっさと引退してもらいたいものだ。

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