「奇遇(きぐう)」の意味・誤用・使い方・「偶然(ぐうぜん)との違い」
「奇遇」の正しい意味
○ 思いがけず出会うこと。不思議なめぐりあい。
「奇遇」の間違った意味
× 奇妙な偶然。珍しい偶然。
「奇遇(きぐう)」の正しい意味は「思いがけず出会うこと。不思議なめぐりあい」なので、「奇妙な偶然。珍しい偶然」という意味で使うのは誤用です。
「奇遇」は、主に人に出会った場合に使います。「予期せず知人とばったり出会った」と表現したい時に用いられることが多いです。
「偶然」は「思いがけないこと。また、そのさま」という意味の言葉で、人と出会った場合以外にも使えます。「偶然見てしまった(思いがけず見てしまった)」「偶然知った(思いがけず知った)」「偶然が重なる(思いがけないことが重なる)」「偶然出会う(思いがけず出会う)」「偶然だった(思いがけないことだった)」など、広い対象の「思いがけないこと」を表すことが可能です。
「奇遇」の「遇」は「思いがけず出会う」という意味を持つ字で、「偶然」の「偶」は「思いがけず」という意味を持つ字です。読みは同じですが形と意味が少し異なっていて、後者には「出会う」という意味が含まれません。
このように2つの字はかなり似ているため、意味を勘違いする人が増えたと考えられます。
「奇遇」の類義語
◻出くわす…偶然出会う。
◻行き合う…偶然に出会う。
◻巡り会う…思いがけなく出会う。長く求めていたものにやっと出会う。
◻鉢合わせ…思いがけず出会う。
◻邂逅…思いがけず出会う。
「奇遇」を使った例文
○ こんなところで会うとは奇遇ですね。
○ 奇遇にも、地元にいると思っていた旧友と数十年ぶりに再会した。
× 出身地だけじゃなく誕生日まで同じとは奇遇ですね。
× 君も中高とレスリング部だったのか。奇遇だな。
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