「閲覧」の誤用『動画や作品を鑑賞する』という意味ではない

意味【あ行】

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「閲覧(えつらん)」の意味・誤用・使い方・「観覧(かんらん)」との違い

「閲覧」の正しい意味

○ 書物・書類・ウェブページなどを調べながら読むこと。

「閲覧」の間違った意味

× 動画や芸術作品を鑑賞すること。

 「閲覧(えつらん)」の正しい意味は「書物・書類・ウェブページなどを調べながら読むこと」ですから、「動画や芸術作品を鑑賞すること」という意味で用いることはできません。

 動画や芸術作品を単に楽しんでいる場合や単に見ている場合には「閲覧」を使いません。その場合は「観る・見る・視聴する・鑑賞する」などの言葉を使って下さい。

 「閲覧」は、書物・書類・ウェブページなどを調べながら読む場合にだけ用いましょう。

 「観覧(かんらん)」は「見物すること」と「書物を見て調べること」という意味を持っていますが、後者の意味で用いられることは殆どありません。

 「観覧」は、主に催し物・名所・景色などを見て楽しむ場合に使います(動物園の観覧、大相撲の観覧、美術展の観覧、テレビ番組の観覧など)。

 また、過激な動画であることを警告するために「閲覧注意」という使い方をするのも誤用です。

 「閲覧注意」は「調べながら読めるもの」に対して使う言葉であり、動画への注意を促したい場合は「再生注意」「視聴注意」などと書くべきです。

「閲覧」の類義語

◻閲読(えつどく)…書類などを調べながら読むこと。

◻玩読(がんどく)…文章の意味をよく考え味わいながら読むこと。

◻吟味(ぎんみ)…物事を詳しく調べること。

「閲覧」を使った例文

○ レポートを作成するために資料を閲覧する。

○ 持ち出し禁止の本を閲覧する必要があり、遠く離れた図書館まで出掛けることにした。

× 好きなYouTuberの動画は、通知がきたらすぐに閲覧することにしている。

× 「閲覧注意」と書いてある事故の動画を見ようかどうか迷っている。

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