「悪運が強い」の誤用『不運な目に遭っても助かる』ではない

意味【あ行】

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悪運が強い(あくうんがつよい)の意味・使い方

「悪運」の正しい意味

○悪行を働いても、その報いを受けずに栄える運

「悪運」の正誤の判断が難しい意味

△悪い運・不運

「悪運」の誤った意味

×不運な出来事に遭っても、被害を受けない運。強運。

「悪運が強い」の正しい意味

○悪行を働いても、その報いを受けずに栄えること

「悪運が強い」の誤った意味

×不運な出来事に遭っても、被害を受けない運が強い。強運を持っている。

「悪運が強い(あくうんがつよい)」の意味は、「悪行を働いても、その報いを受けずに栄えること」です。
 「不幸な出来事の中で、僅かに救いとなる」「悪い運・不運が強い」「強運を持っている」という意味で使う人もいますが、これらは誤用です。

悪運という言葉は、元々「悪事を働いても報いを受けない運勢」という意味でしたが、△の「悪い運・不運」という意味で使われる事が多くなってきました。ですから、「運が悪いこと」などと載せる辞書も増えてきています。

上述した通り「悪運が強い」は悪い意味の言葉なので、身近な人に向かって使う機会はあまりないと思います。強い不満を持つ人や犯罪者などの話題になったときに、出番があるくらいでしょうね。
この言葉を不用意に使うと、話し手が慰める意味で用いたつもりでも、聞き手は「悪人扱いされた」と取るかもしれません。
 使い方次第では相手に不快感を与えてしまう言葉ですから、そうならないように気をつけましょう。

また、「悪運が尽きる」という用法もありますね。映画やドラマで、悪役が敗北した時などに聞くことがあると思います。

そうした状況で「悪事を働いても報いを受けない運勢」が尽きて報いを受けてしまうから、「悪運が尽きる」となる訳です。

「悪運が強い」の例文

○「あの映画の敵役は悪運が強いから、見ていて腹が立ってくる」

○長年逃亡していた犯人も、ついに悪運が尽きて捕まったらしい

×「車同士で衝突したのに、軽傷で済んだんだって? 悪運が強くてよかったね」

×「私は悪運が強いからさ。留学先でも、ちゃんとやっていけるよ」

類語

「悪行を働いても、その報いを受けずに栄えること」の類語

憎まれっ子世にはばかる

「不運な出来事に遭っても、被害を受けないこと」の類語

不幸中の幸い

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