「他山の石」の誤用『手本にすべき他人の言行』ではない

意味【た行】

スポンサーリンク

「他山の石(たざんのいし)」の意味

○ 本来の意味…戒めや参考にすべき、他人の誤った言行。

× 誤った意味…手本にすべき、他人の優れた言行。

他人の良い言動を例にして、この言葉を使うのは誤用です。他人の誤った言行と覚えましょう。

また、「自分には無関係なので、痛くも痒くもない」という意味の「対岸の火事」と混同している人もいますが、意味が全く違うので気をつけて下さい。

それに「他人の誤った言行」を参考や戒めにする訳ですから、使う相手によってはトラブルが起きるかもしれません。「社長の言動を、他山の石とします」などと言わないように注意しましょう。

「他山の石」の例文

 先日、他校の生徒が起こした嘆かわしい事件を、他山の石として下さい。

 リバウンドしてしまった彼の失敗を他山の石とせずに、自分達の生活習慣を今一度見直してみましょう。

「他山の石」の類義語

類義語に、「人のふり見て我がふり直せ」「反面教師」があります。

「他山の石」の語源・由来

中国最古の詩編『詩経(しきょう)』が出典です。その中の小雅・鶴鳴(しょうが・かくめい)に記されている「他山の石を以(もっ)て玉を攻(おさ)むべし」という言葉が語源になります。これは、「余所の山のつまらない石でも、価値のある玉(宝石)を磨くのに役立てる事ができる」という意味です。

「他山の石」の世論調査

平成25年度の「国語に関する世論調査」では、本来の使い方をする人が30.8%で、本来ない使い方をする人が22.6%でした。
正しい意味を把握している人は、三分の一以下しかいませんね。この機会に、本来の意味を覚えてしまいましょう。

こちらの記事も宜しくお願いします。

「浮き足立つ」の誤用『嬉しくて落ち着かない様』ではない
「浮き足立つ」の意味は「ウキウキして落ち着かない様子」ではなく、「恐怖や不安で落ち着きを失う」です。この記事では、誤用・意味・例文・類語・由来の解説をしています。
■言葉カテゴリーの人気記事
誤用される言葉・誤用が定着した日本語一覧【例・意味の変化・割合】
文化庁の世論調査を中心に、有名な言葉の誤用・誤用が定着した日本語(誤用率の方が高いもの)の約130例をまとめました。
有名な言い方の誤用40【定着した言葉・文化庁が調査した日本語】
よく読み間違えられる漢字130選+誤読とは言い切れない読み
「中抜き」の誤用『中間業者のピンハネという意味ではない』
■メインカテゴリー
意味の誤用
「意味の誤用」の記事一覧です。
言い方の誤用
「言い方の誤用」の記事一覧です。
意味の違い
「意味の違い」の記事一覧です。
「新語」カテゴリー
タイトルとURLをコピーしました