「使用」の意味・例文、「利用」「活用」との違い
人・物・場所・システムを使うこと。
例文1.掃除機を使用して部屋を綺麗にした。例文2. 区民館を使用して催し物を行う。例文3.チタン合金を使用しているので軽くて耐久性が高い。
「使用(しよう)」は、単に「使う」という意味しか持っていない言葉です。「利用」と「活用」には、「物の機能・利点を十分に生かして、役立つよう~」「物や人の機能・能力を十分に生かして~」という意味が含まれますが、「使用」にはそういった意味が含まれていません。
人に対して用いる場合も、単に「仕事をさせる」という意味になります。
「利用」の意味・例文、「使用」「活用」との違い
1.物などの機能・利点を十分に生かして、役立つように使うこと。
2.手段にすること。方便にすること。自身の利益になるように上手に使うこと。
例文1.今回は格安航空会社を利用して実家に帰ることにした。例文2.廃材を利用して棚を作る。例文3.人の無知を利用して儲けを出す。
「利用(りよう)」の1の意味には「物の機能・利点を十分に生かして、役立つように」という条件がありますが、「使用」にはそういった条件がなく単に「使う」という意味しかありません。時期や機会も対象となり、「長期休暇を利用して、旅行に行くことにした」などと用います。この意味は、後述する「活用」の「物や人の機能・能力を十分に生かして使うこと」と殆ど同じ意味です。
意味1は、「本来そのためにあるものを生かして使う」場合と、「本来そのためにある訳ではないものを、上手に使って役立たせる」場合の両方に用いることができます。例えば「きめの細かい歯ブラシを利用して、歯と歯の隙間まで丁寧に磨く」場合は前者に当てはまりますし、「きめの細かい歯ブラシを利用して、風呂場の角の部分やタイルとタイルの間などを細かく掃除する」場合は後者に当てはまります。
2の意味「方便にすること。手段にすること」は、立場・権力・地位や他人の心情などを自分の都合の良いように使って目的を果たそうとすることを表します。「経営者という立場を利用してパワハラをする」「友人のお人好しな性格を利用して、面倒を押し付ける」とういように用います。この2の意味は「活用」にはありません。
「活用」の意味・例文、「使用」「利用」との違い
1.物や人の機能・能力を十分に生かして使うこと。
2.文法で動詞などがその用法に従って、体系的に語形を変化させること。また、その変化体系。
例文1.余りがちな労働力を有効に活用する。例文2.倉庫に仕舞ってある工具を活用すれば、 余計な出費を抑えることができる。
「活用(かつよう)」の1の意味「物や人の機能・能力を十分に生かして使うこと」は、「利用」の「物などの機能・利点を十分に生かして、役立つように使うこと」と殆ど同じ意味です。ですが「活用」には、「利用」の「方便にすること。手段にすること」という意味は含まれていません。
また、「文法で語がその用法に従って語形変化をさせること」という意味を持っています。
「使用」「利用」「活用」のまとめ
◼「使用」の意味…「人・物・場所・システムを使うこと」
◻ 「使用」には、単に「使う」という意味しかない。
◼「利用」の意味1…「物などの機能・利点を十分に生かして、役立つように使うこと」
◼「利用」の意味2…「手段にすること。方便にすること。自身の利益になるように上手に使うこと」
◻利用の意味1は、「物などの機能・利点を十分に生かして、役立つように」という条件で使うのが「使用」との違いで、活用の意味1と殆ど同じ意味。
◻利用の意味2は、立場・権力・地位や他人の心情などを自分の都合の良いように使って目的を果たそうとすることを表す。
◼「活用」の意味1…「物や人の機能・能力を十分に生かして使うこと」
◼「活用」の意味2…「文法で動詞などがその用法に従って、体系的に語形を変化させること。また、その変化体系」
◻ 「活用」は、「利用」と違って「方便にすること。手段にすること」という意味を持っていない。
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