「確信犯」の誤用『悪事と分かりながら行う行為』ではない

意味【か行】

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「確信犯(かくしんはん)の誤用・意味・世論調査」

「確信犯」の正しい意味

○ 政治的・思想的・宗教的等の信念に基づいて行われる犯罪。また、その犯人。政治犯。思想犯。

「確信犯」の誤った意味

×悪事と分かった上で行われる行為。また、その行為者。

「確信犯(かくしんはん)」の本来の意味は「政治的・思想的・宗教的等の信念に基づいて行われる犯罪。また、その犯人。政治犯。思想犯」です。この言葉は、「法に触れることを知りつつも、信念に基づいて正しいと確信してなされた犯罪や、その犯人」に対して使われます。

ですから、「悪事だと分かった上で行われる行為。また、その行為者」という意味で使うのは誤用です。信念のない犯罪や、犯罪ではない行為には使えません。×の意味に当たる言葉は「故意犯(こいはん)」です。

「確信犯(かくしんはん)」は法律用語ですが、この言葉が一般に浸透するにつれ「故意犯」の意味で誤用されるようになりました。

最近では誤用する人の方が多数派になったため、×の意味を載せる辞書が徐々に増えてきています。

また、文化庁が平成14年度に行った「国語に関する世論調査」では、本来の意味を選んだ人の割合が16.4%誤った意味を選んだ人の割合が57.6%という結果が出ています。

「確信犯」の類義語・誤った意味に近い言葉

「確信犯(信念に基づいて行われる犯罪。その犯人の意)」の類義語

◇ 政治犯…政治的動機によってなされた犯罪。また、その犯人。

◇ 思想犯…現国家体制に反対する思想に基づく犯罪。また、その犯人。

◇ テロリズム…政治目的を実現するため、 暗殺・暴行・粛清などの恐怖手段の行使を認める主義。

◇ テロリスト…テロリズムに訴えて政治目的を達成しようとする者。

誤った意味「悪事だと分かった上で行われる行為。その行為者」を表す語

◇ 故意犯…故意になされる犯罪(「故意」はわざとするの意)。

◇ 意図的…ある目的があって、わざとそうするさま。

「確信犯」を使った例文

○例の爆破事件には政治的な動機が窺えるから、愉快犯ではなく確信犯が起こしたのだろう。

○ テロ事件を起こした犯人がようやく捕まったが、この手の確信犯が簡単に考えを改めるとは思えない。

×いつも約束の時間を間違えたと言って遅刻してくるけど、あれは絶対に確信犯だよね。

×自転車で逆送している人達の殆どは、確信犯でやっているに違いない。

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