「やおら」の意味・誤用・使い方
「やおら」の本来の意味
○ゆっくりと事を行うさま。
「やおら」の誤った意味
×急に。唐突に。
「やおら」の本来の意味は「ゆっくりと事を行うさま」なので、「急に。唐突に」という意味では使えません。
「やおら」は副詞ですから後ろの用言に係り、「やおら歩き出す(ゆっくりと歩き出すの意)」というように使います。
誤用が広まったのは、「ゆっくり」と「急に」の両方に解釈できる場合が多いのが原因かもしれません。「やおら歩き出す」「やおら立ち上がる」と言われた時にこの語の意味を知らなければ、「急に歩き出す」「急に立ち上がる」と誤って解釈する人もいるでしょう。
「やにわに(突然に)」との混同も考えられます。
また、一部の地域では70年ほど前から誤った意味で使われていたようです。
平成29年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では本来の意味を選んだ人が39.8%、間違った意味を選んだ人が30.9%という結果が出ています。
「やおら」の類義語
◇徐に(おもむろに)…動きが落ち着いているさま。
◇徐々に…少しずつ変化するさま。
◇悠然と…物事に動じないで、落ち着いてゆったりとしているさま。
「やおら」を使った例文
○ 落ち着いた態度でやおら歩き出した。
○ 起床直後でボーッとしていた彼は、やおら大きく伸びをした。
×やおら扉を開けた妻は慌てふためいており「大変!!」と叫んだ。
×蜂を見た息子がやおら泣き出した。
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