「にやける」の誤用・意味・「にやにや」との違い
「にやける」の正しい意味
○ 男性が女性のように、なよなよとした色っぽい態度を取る。
「にやける」の誤った意味
×薄笑いをする。にやにやする。
「にやける」の本来の意味は「男性が女性のように、なよなよとした色っぽい態度を取る」で、「薄笑いをする。にやにやする」という意味で使うのは誤用です。
「にやにや(声を出さずに、意味あり気に薄笑いをするの意)」や、「にやつく(にやにやするの意)」と語感が似ていますが、意味が全く違うので注意しましょう。
また、「にやにや」は女性にも使える言葉ですが、「にやける」は男性のみを対象にした言葉ですから女性には使えません。
「にやける」を使った例文
正しい意味「男性が女性のように、なよなよとした色っぽい態度を取る」の例文
化粧なんかして酷くにやけた男だなと思った。
彼のにやけた仕草に思わずドキッとしてしまう。
誤った意味「薄笑いをする。にやにやする」の例文
妻は何か嬉しいことがあったようで、先程からにやけた表情を浮かべている。
私のことを小馬鹿にしているのか、奴はにやけながらこちらを見ていた。
「にやける」の類義語
なよなよとする…弱々しくしなやか。
色っぽい…なまめかしい。
女々しい…態度が柔弱。
「にやける」の語源・由来
「にやける」は漢字で「若気る」と書き、名詞の「若気(にやけ)」を動詞化した言葉です。
「若気(にやけ)」は鎌倉時代から室町時代にかけて、貴人に付き従って男色の対象となった少年を意味しています。それが転じて、「男性が女性のように、なよなよと色っぽい態度を取る」という意味になりました。
明治時代頃まで「若気(にやけ)」は「にゃけ」、「若気る」は「にゃける」と発音されていました。ですが明治時代以降に「にやけ」「にやける」という発音に変化しています。
「にやける」が「薄笑いをする。にやにやする」の意味で使われ始めたのも明治時代以降ですから、「にやにやする」「にやつく」と混同され始めたのもこの時期だと考えられます。
国語に関する世論調査
平成23年度に実施された「国語に関する世論調査」では、「なよなよとしている」という本来の意味を選んだ人が14.7%、「薄笑いを浮かべている」という誤った意味を選んだ人が76.5%でした。
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