「知恵熱」の誤用『頭の使いすぎで出た発熱』ではない

意味【あ行】

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知恵熱(ちえねつ)の意味

知恵熱の正しい意味

○ 生後六ヶ月前後の乳児に見られる突発的な発熱

知恵熱の誤った意味

× 頭の使いすぎで出た発熱

乳児は、胎盤と母乳から母親の免疫を分け与えられているが、生後六ヶ月から一年頃までの間にその免疫力がなくなり、感染症などから発熱を起こしやすくなる。

その時期に出る突発的な発熱を、医学的な知識が少なかった時代に「知恵熱(ちえねつ)」と呼ぶようになった。

・母親から分け与えられた免疫力がなくなるのは、乳児の知的発達が目覚ましい頃なので、昔は「知恵熱」と知能の発達が関係あると誤解されていた。

・「俗に」などと断って、「知恵熱」の誤った意味を補説する辞書もある。

・平成28年の文化庁の調査では、「知恵熱」を本来の意味で使う人の割合が45.6%、誤った意味で使う人の割合が40.2%という結果が出ている。

「知恵熱」を使った例文

○ 生後6ヶ月になる子供が知恵熱をだしたので心配だ。
○ 妻の母がやや熱っぽい孫を見て、「知恵熱じゃないの」と心配そうに呟いた。
× 一緒にテスト勉強をしていた友人が、「勉強し過ぎたから知恵熱が出てきたかも」と笑いながらいった。
× 普段、頭を使わない奴がそんなに考え込むと知恵熱を出すぞ。

類義語

知恵熱の類義語

生歯熱・歯牙熱・知恵ぼとり

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