「矢先(やさき)」の意味・誤用
「矢先」の本来の意味 ○ 物事が始まろうとする、ちょうどその時。
「矢先」の新しい意味 × ~した直後。
「矢先(やさき)」の本来の意味は「物事が始まろうとする、丁度その時」で、「~した直後」は新しい意味です。 元々「始まる直前」を指す言葉ですから、「過去形+矢先」の形では使えません。前の言葉を過去形にすると、「既に終わった事=直後」という意味になってしまうからです。ですが、「~ようとした」「~うとした」は、「ちょうど~をしようとしていた(する直前の状態)」という意味なので使うことができます。広辞苑(第6版)や三省堂国語辞典(第7版)など少数の辞書では「直後」の意味を載せており、今後他の辞書も追随するかもしれません。そうして多くの辞書が正しい意味として説明するようになれば、誤用とはいえなくなるでしょう。
「矢先」を使った例文
○ 帰宅しようとした矢先に上司に呼び止められた。
○ それは、子供を迎えに行こうとする矢先の出来事だった。
× レジで支払いを済ませた矢先に、追加の買い物を頼む電話が掛かってきた。
× 飲食店を開業した矢先に、コロナ禍が起こりました。
「矢先」の類義語
◻折も折(おりもおり)…丁度その時。 ◻直前(ちょくぜん)…物事が起こるすぐ前。
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