「逆鱗に触れる(げきりんにふれる)」の誤用・意味、「琴線に触れる」との混同
「逆鱗に触れる」の正しい意味
○ 目上の人の怒りを買う。
「逆鱗に触れる」の誤った意味
× 怒りを買う。
「逆鱗に触れる」を「怒りを買う」という意味で使うのは誤用であり、本来の意味は「目上の人の怒りを買う」です。自分と同程度の立場の人や格下の人が怒った際に使うことはできません。
「琴線に触れる(素晴らしいものに接して感銘を受ける)」と混同している人もいますが、意味が全然違うので気を付けてください。
「逆鱗に触れる」の語源・由来
中国の思想書『韓非子(かんぴし)』が「逆鱗に触れる」の語源です。
その内容の要約は、龍のあごの下の一枚だけ逆さに生えている鱗を「逆鱗」といい、それを触った人間は龍の怒りを買って殺されてしまう、というものです。
昔は天子(君主)を龍に例えていたことから、天子の怒りを買うという意味で使われていました。それが転じて「目上の人の怒りを買う」という現在の意味に変化しています。
「逆鱗に触れる」の例文
○ あの先生は偏屈な人だから、余計な事を言って逆鱗に触れないように気を付けてね。
◯ 子供の頃、ハサミを使った悪ふざけが父の逆鱗に触れてしまい、ひどく叱られたことがあったな。
× 「なぁ、たまには飲みに行こうよ」と言って何度も部下に絡んでいたら彼の逆鱗に触れてしまい、「ハラスメントですよ!!」と怒鳴られた。
× 夫の心ない暴言が、私の逆鱗に触れた。
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