「溜飲を下げる」の誤用『溜飲を晴らす』ではない

意味【ら行】

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「溜飲を下げる(りゅういんをさげる)」の誤用・意味・使い方・溜飲が下がるとの違い

本来の言い方

○ 溜飲を下げる(りゅういんをさげる)

誤った言い方

× 溜飲を晴らす(りゅういんをはらす)

□ 「溜飲」の意味…消化不良によって、酸性の胃液がのどに上げってくること。また、その胃液や胸焼けのこと。

□ 「溜飲を下げる」の意味…不満や恨みなどを解消して気を晴らすこと。

□「溜飲が下がる」の意味…不満や恨みなどがなくなり気が晴れること。

本来の言い方が「溜飲を下げる」なので、「溜飲を晴らす」という使い方は誤用です。

「溜飲」は医学用語で、「消化不良によって、酸性の胃液がのどに上げってくること。また、その胃液や胸焼けのこと」を意味しています。そして、酸性の胃液を下げれば不快感が解消するという考え方から、「不満や恨みなどを解消して気を晴らす」という意味が「溜飲を下げる」に例えられているのです。

「溜飲を下げる」は、自分で不満や恨みを解消した場合に多く使われます。

「溜飲が下がる(りゅういんがさがる)」という言い方もあり、意味は「不満や恨みなどがなくなり気が晴れること」で、「溜飲を下げる」と殆ど同じ意味です。「溜飲が下がる」は、不満・恨みを自分で解消した場合、他人が解消した場合、偶発的に解消された場合の全てに使われます。

「溜飲」は常用漢字ではないので公用文や報道などでは「留飲(りゅういん)」と書かれますが、どちらの読みも意味も全く同じです。

文化庁が平成29年度に実施した国語に関する世論調査では、正しい言い方「溜飲を下げる」を選んだ人が37.4%誤った言い方「溜飲を晴らす」を選んだ人が32.9%という結果が出ています。

「溜飲を下げる」を使った例文・誤用例

○ これまで彼に腹立たしい思いをさせられてきたが、きちんと謝罪させることで溜飲を下げた。

○ 4番のBは、打撃不振で酷いバッシングを受けてきた。しかし、最近は文句なしの成績を上げているので、Bも溜飲を下げた事だろう。

× 嫌みばかり言ってくる先輩に強く反論してやったので、やっと溜飲を晴らすことが出来た。

× 口汚い言葉で批判して溜飲を晴らすのはやめよう。

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