「論陣を張る(ろんじんをはる)」の誤用・言い方・意味・世論調査
本来の言い方 ○ 論陣を張る(ろんじんをはる)
誤った言い方 × 論戦を張る(ろんせんをはる)
□ 意味…論理をしっかり組み立てて議論を展開する。 本来の言い方が「論陣を張る(ろんじんをはる)」なので、「論戦を張る(ろんせんをはる)」という使い方は誤用です。 「論陣」の「陣」は、「軍隊を配置している所。また、それを構える様式」を意味しています。そして「陣」は「陣を張る(軍隊を配置している所を構える)」の形で使われるため、「論陣(論の組み立て)を張る(構える)」の形で使われているのです。 ですから、陣と無関係の「論戦(互いに意見を戦わせる)を張る(構える)」という組み合わせでは意味をなさず、この使い方は誤用になります。 「論戦」は、「論戦を挑む」「論戦を開く」「論戦を展開する」「論戦を交わす」「論戦を繰り広げる」などの形で使いましょう。 また、文化庁が発表した国語に関する世論調査(平成30年度)では正しい言い方を選んだ人の割合が29.5%、誤った言い方を選んだ人の割合が44.0%という結果が出ています。
「論陣を張る」を使った例文
○ 情報番組Hには政権擁護の論陣を張るコメンテーターが多く出演するが、情報番組Mには政権批判の論陣を張るコメンテーターが多く出演している。
○ 直近の上司を強く支持する立場から論陣を張る。
× 大物歌手は「コロナ禍で連日宴会に参加したタレントIは悪くない」等と言い始め、世論とは反対の論戦を張った。
× 先日、TPP賛成で論戦を張っている国際政治学者のAが講演会を開いた。
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