「怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)」の誤用・意味・使い方
本来の言い方
○ 怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)
誤った言い方
× 怒り心頭に達する(いかりしんとうにたっする)
□ 「怒り心頭に発する」の意味…心の底から激しく怒る。
□ 「心頭(しんとう)」の意味…心の中。 「―・滅却すれば火もまた涼し」
□ 「発する(はっする)」の意味…生じる。
本来の言い方が「怒り心頭に発する」なので、「怒り心頭に達する」という使い方は誤用です。
「心頭」の意味は、「心と頭」ではなく「心の中」です。「に」の意味は「動作や作用が行われる場所」を指し、「発する」は「生じる」を指しています。ですから、「怒りが心と頭に達する」という捉え方は間違いで、「心の中にて怒りが生じる=心の底から激しく怒る」という意味になるのです。
平成24年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい言い方を選んだ人の割合が23.6%、誤った言い方を選んだ人の割合が67.1%でした。
「怒り心頭に発する」を使った例文
○ 彼は怒り心頭に発したらしい。顔を真っ赤にし、怒りのあまり体を震わせながら、こちらを睨み付けている。
○ 浮気現場を見た瞬間、私は怒り心頭に発し大声を上げていた。
× 暴言を吐かれたので怒り心頭に達するのも分かるが、罵詈雑言の応酬になっても得する事はないよ。
× 昨日、深夜に夜遊びから帰ってきたら、玄関で父と母が待ち構えていた。二人の凄まじい形相から、すぐに怒り心頭に達しているのが分かった。
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