ことわざ「火を見るよりも明らか」の意味・誤用
本来の言い方
○火を見るよりも明らか(ひをみるよりもあきらか)
誤った言い方
×火を見るように明らか(ひをみるようにあきらか)
□意味…疑う余地がない程、はっきりとしている様子。
本来の言い方が「火を見るよりも明らか(ひをみるよりもあきらか)」で、「火を見るように明らか(ひをみるようにあきらか)」という使い方は誤用とされています。
2008年の世論調査では、本来の言い方である「火を見るよりも明らか」を選んだ割合が71.1%、誤った言い方である「火を見るように明らか」を選んだ人が13.6%でした。
ことわざ「火を見るよりも明らか」の由来・語源
「火を見るよりも明らか」の語源は古代中国の歴史書『書経』で、この経書は儒教の重要な経典『五経』の一つにも数えられています。殷の時代の記録部『商書』に該当する18篇目『盤庚上(ばんこうじょう)』には下記のようなエピソードがあります。
殷(いん)に盤庚(ばんこう)という王がおり、盤庚は地方を治める諸侯達を集めて、統治の仕方についてこう説きました。
「現在、地方の統治が上手くいっていないが、それは私に徳がないからではない。お前たちの愚かさが原因である事は、火を見るよりも明らかだ」
この発言を元に「疑う余地がない程、はっきりとしている様子」という意味で使われるようになりました。
ことわざ「火を見るよりも明らか」を使った例文
この慣用句は、明らかに悪い結果が予想される場合に使います。
あんな滅茶苦茶な金銭感覚でまともに生活していける訳がない。いつか破綻するのは火を見るよりも明らかだ。
この金融政策が失敗するのは火を見るよりも明らかだが、誰も現実をみようとしない。
お使いに行った際につい余計な物を買ってしまった。妻の怒りを買うのも火を見るよりも明らかだな…。
夜遅くの食事が健康を害するのは火を見るよりも明らかだ。でも、中々やめられないんだよ。
ことわざ「火を見るよりも明らか」の言い換え表現
◻明々白々(めいめいはくはく)…はっきりしていて、少しも疑わしい点がないこと。また、その様子。
◻自明の理(じめいのり)…説明の必要がない明白な道理。
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