「触り(さわり)」の意味・誤用・使い方
「さわり」の正しい意味
○一番の聞き所・見所。物語の最も印象的な部分。話の要点。
「さわり」の間違った意味
×最初の部分。
「触り(さわり)」の本来の意味は「一番の聞き所・見所。物語の最も印象的な部分。話の要点」ですから、「最初の部分」という意味では使えません。「最初の部分」と伝えたい場合に使うのではなく、「最も重要な部分」と伝えたい場合に使って下さい。
誤用率の高い言葉なので、相手によっては聞き所・見所・ハイライト・要点などの類義語と置き換えた方がいいかもしれません。
この語はもともと浄瑠璃の流派・義太夫節で使われていたもので、「義太夫節以外の先行の曲節を取り入れた箇所。義太夫節の曲の聞きどころ」という意味でした。これが転じて「楽曲の最大の聞かせ所」という意味を持ち、更に転じて「物語の最も印象的な部分。話の要点」という意味も加わりました。
平成28年度に文化庁が実施した世論調査では、本来の意味を答えた人が36.1%、間違った意味を答えた人が53.3%でした。
「さわり」の類義語
◇ 見所…見るべき優れたところ。
◇ 聞き所…聞く価値のある優れたところ。
◇ ハイライト…一番興味を引く場面。
◇ 要点…肝要な点。
「さわり」の誤った意味を表す語
◇ 冒頭…物事の最初。
◇ 導入部…主題に入る前の最初の部分。
◇ イントロ…音楽などの導入部。
「さわり」を使った例文
○ すぐに全体の状況を把握したいので、さわりだけを教えて下さい。
○ ストーリーのさわりは、終盤に主人公がヒロインを助けたところだね。
× あの映画を観にいったの? 大事なところをネタバレしないように、さわりだけ教えてよ。
× 何となく目に留まった音楽のMVを再生し始めたら、さわりから素晴らしい出来で少し興奮している。
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